凡例

【凡例:貼り込み資料のデータ(第1~18帖)】

 この凡例は史料編纂所のご協力により、東京大学史料編纂所附属画像史料解析センター編『摺物総合編年目録』(第二稿、2000年7月、目録編纂責任者:宮地正人)の「凡例」にもとづき、「電子展示『捃拾帖』」の構築にあたって加筆・編集いただいたものです。本サイトで公開する『捃拾帖』1~18帖のデータについては以下をご参照ください。

1. 表題

 史料に表題がつけられているものについては、そのまま表題として用い、備考欄において補足説明をおこなった。無題のものについては、内容を勘案して、〔 〕の中に編者の附した表題を示した。なお、漢字9字からなる謎文字も多数の漢字からなる謎文字も、当時は共に邪馬台詩とよばれることが一般的であったが、本目録では両者を区別するため、前者を「鎖文字」という名称で示した。

2. 帖数

 東京大学総合図書館所蔵『捃拾帖』[A00-6010]全93帖の帖数。

3. 目録番号

 『摺物総合編年目録』で個別の摺物に付与した番号。「所蔵機関(16=東京大学総合図書館)-請求番号[A00-6010-*]-帖ごとの個別資料通番」である。

4. 書誌事項

 冒頭に縦横の長さをセンチで示した。また複数枚のものが貼り継がれているものは何枚続と表示した。ただし、貼込帖に貼込まれているものは、その多くが貼込みやすいように、左右上下が自由に切断されており、同一摺物でも寸法が相当相違しているので、ここに示す寸法はあくまでも一つの目安として利用されたい。
また各々の摺物から読みとれる書誌情報を収めた。その内、近代に入ってからの出版条例等による著者、編輯人、出版人、印刷人、発行人等の記載に関しては略号を以て示している。

5. 数量

 個別資料の員数。原形が完全に変形されている場合は、原形不詳とした。

6. 年月日

 年代確定は、摺物史料の日時記載(届日だけしか判らないものは届日をとった)及びその内容、更に各種の風説留への収載年月等の検討結果に従って慎重におこなった。年や月が不確実で推定をおこなったものに関しては、年または月のうしろに「?」を付した。今後調査の進展にともない、かなりの変更があるものと思われる。

  1. 年内に改暦のあった場合には新年号をとった。
  2. 不明の江戸後期のものを「江戸後期」として収めた。
  3. 暦に関しては製作された月が明白なもの以外は、その年の1月とした。
  4. 検索上の便宜のため、西暦を附したが、年が確定不可能のものは、嘉永期等の期で表示し、同年号の最終年の西暦を附した。また江戸後期に関しては1867年で統一した。
7. 地名

 近世の国名をとり、近代のものに関しては県庁所在地の旧国名を以て示した。また琉球・朝鮮・中国の3ヶ国以外はすべて外国とした。ただし、以下のような若干の例外を設けてある。

  1. 蝦夷地時代のものは僅少なので、北海道に統一した。
  2. 陸奥・出羽両国のみは、明治元年に新区画された磐城・岩代・陸前・陸中・陸奥・羽前・羽後の新国名をとった。
  3. 江戸(明治元年7月以降は東京)、京都、大阪、横浜の4都市にかかわるものは都市名を以て示した。
  4. ペリー来航に関するものは、第1次に関しては相模、第2次に関しては横浜の地域分類とした。
  5. 第1次、第2次征長に関するものは長門に収めた。
  6. 鳥羽伏見戦争に関するものは山城に収めた。
  7. 日清戦争に関するものは中国に収めた。
  8. 報道内容が広い地域に渉るものに関しては、摺物刊行地を示した。
8. 版種類

 版の区別は木版摺(木版)、銅版摺(銅版)、石版摺(石版)、活版印刷(活版)、写真製版(写真版)、拓本の区別をおこなったが、貼込帖等には、まま肉筆のものも存在しており、それらについては写本とした。また断定不能なものは空欄にした。なお、編者の力量不足から、銅版と石版の判断には不正確なものがあると思われる。

9. 形態分類

 摺物のうち特徴的な形態を有しているものは、以下の分類を示した。即ち番附、役職名鑑、鯰絵、引札、尽し、開帳、みたて、三幅対、そして暦である。

10. 内容分類

 15種の内容分類をほどこした。この15分類とは、1.火事、2.自然災害、3.病気・医療、4.暦、5.祭礼、6.政治社会変動、7.諸営業、8.市井雑事、9.信仰・行楽・名所図絵、10.文芸・芸能・スポーツ・教育・出版・教化、11.芝居・浄瑠璃・歌謡、12.相撲、13.芸娼妓、14.歴史、15.常識・娯楽・遊技・地図・食事の15である。なお、分類をおこなうに当っては、以下の諸点に留意した。

  1. 火事の場合でも、禁門の変や上野戦争など、政治社会変動と直接結びついているものについては、6に収めた。
  2. 暦の場合でも、政治その他の諷刺として用いられている場合には、それぞれ適当だと思われる分野に収めた。
  3. 最近の出来ごとが記載されていても、それが昔の出来ごととの対比で出てくる場合や、近世末と明治初年の比較をおこなっている場合には、歴史意識の史料として14に収めた。
  4. 名所旧跡的な絵図・地図は9に、それ以外の各種地図は15に収めた。

【摺物データベースについて】

 「摺物データベース」は、1999年4月より東京大学史料編纂所で公開されているデータベースです。詳しくは当該データベースや、以下の資料をご参照ください。